CD Walkman (Diskman)

 とりあえず音楽はよく聴く方なのに、なんと私はいわゆるCD Walkmanを持っていなかった。最近は歩きながらまで音楽を聴く気にはなれなかったのかも。
 ところが、ちょっと宮古島へ旅行することになり、PowerBookとMagic the Gatheringのデッキだけ持っていったのだが、何だか急に音楽が聴きたくなってしまった。それもジャズボーカルが。
 それで宮古島のベスト電器に行ったのだが、品揃えがなくて結局買わずじまい。それでも近くのBookBoxでCDだけは買った。なんか矛盾してる... ^^; 買ったのは、これもふと思いついて「ヘレン・メリル・ウイズ・クリフォード・ブラウン」それとルチアーノ・パヴァロッティの「オペラ・アリア集」。結局これらは宮古島では聴かず。

 帰ってきて考えた。「さて、本当にそれは必要なのか?」と。そんなに音楽聴くのか、お前?
 最近はあまり気を入れて聴かない。そんな時間がない。
 が、それでもやはり欲しかった。ふらっ、と音楽を聴きたくなるような気がしたのだ。
 近くのベスト電器で見つくろう。買ったのはソニーDiskman D-340、11800円。

 さてそれでパヴァロッティを聴いてみる。 …素晴らしい。 「さすが」としか言いようがない。張りと響きのある、世界の向こうから聞こえてくるような歌声。 昼間一日、聴けるときはずっとイヤホンを耳に入れていた。

 夜はヘレン・メリルを聴いた。 やはりこれも素晴らしい歌声。聴けば聴くほど凄味を感じる。あれに追いつける歌手はいないかも、と思う。
 そしてタメの効いた、バランス感覚抜群のクリフォード・ブラウンのトランペット。すげーかっこいい。
 ところが残念なことに、イヤホンが彼らのハイ・トーンに追いつかない。音が歪んでしまうところがある。残念なことだが、確かにあの音をちゃんと再現するのはかなりきつそう。いくつかイヤホンを試してみないといけないようだ。
 結局、一晩中これを耳につけていた。

 翌日は車の中でドビュッシーのピアノを聴いてみる。彼の音列は、聞きようによっては非常にジャズ的。チック・コリアなどのピアノに似ている。というか、いつぞやインタビューでチックが「ドビュッシーやストラヴィンスキーが好きなんだ」と話していた。納得。
 フランスのエスプリを感じさせる雰囲気と好みの音階。いいねえ。

 帰りは月夜だった。晴れ上がった空に美しい半月。ミュシャ・マイスキー奏でるブラームスのチェロ・ソナタを聞く。風に吹かれながら月夜に流れるチェロの音を聴く。ああなんて美しい。やはりこれも素晴らしい。
 思わずそのまま帰らずに、ずっとどこかに走っていこうかと思ったくらいだ。
 んで、うなるんですね、マイスキーって。息づかいを越えた音が聞こえます。まあキース・ジャレットほどじゃないけどね。


(c)久島昌弘 1997.08.15
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